役職が主任、課長など出世する人もいれば、逆に一般社員を好む方もいます。出世をした分給料は多少上がるのは確実でも、それが割に合うかは別問題です。
実は多くの管理職が自身の状況に不満を持ち、給料に対しても割に合わないと感じています。
私もこれまで何度も管理職の辞退や降格する人を見てきました。
そこでこの記事では出世が割に合わない理由と、なぜ降格や辞退する人が多いのかということをお伝えします。
出世をすることで地位や名声を得ても、逆に失うものもでてきます。あなた自身が幸せになるには、目先の給料以上に出世をしたあとのことも知っておくことが必要です。
まずは記事を読んで知識をつけ、今後の目指す方向性を考えてみましょう。
出世が割に合わないのはなぜ?
仕事の内容について、自分にとって理想とのギャップが大きすぎると仕事がつまらなくなりますよね。
管理職について給料を多くもらっても、割に合わないほど業務量や責任が増えるのであればストレスになります。
では、一般的に出世をしたいと思う人がどのいるのでしょうか。
調べてみると、出世を望む人はかなり少ないことが分かりました。
管理職になりたい40代はたった10%
人材派遣・人材紹介のマンパワーグループでは、正社員の20代から50代の男女400名を対象に、「今後管理職になりたいか」という調査をしました。
引用元:マンパワーグループ:「8割超の一般社員が「管理職になりたくない」と回答。その理由とは?」
管理職になりたい人は20代で28%、40代ではたったの10%しかいません。
出世をすると今より高い給料を得られると思っていても、ほとんどの人が管理職になりたくないと思っているのが実情です。
出世を嫌がる理由
では、なぜそんなにも出世を好まない人が多いのでしょうか。
管理職になりたくない理由は以下のデータが参考になります。
引用元:マンパワーグループ:「8割超の一般社員が「管理職になりたくない」と回答。その理由とは?」
出世をすると一番最初に浮かぶのは「責任が重くなること」です。管理職になれば目標数値や原価の管理、トラブル対応など様々な責任が生じます。
しかし、出世をした分給料が何倍にも増えるかと思えばそんなことはありません。
例えば主任に上がっても月5000円しか給料が上がらなかったり、課長に出世しても車を安い軽自動車に乗っている光景を見たりします。
私が過去に退職した会社では課長も「副業をしないと生活できない」と話していて、月収手取り20万円(経験年数20年)ほどしかないと言っていたこともありました。
出世しても降格したり出世を辞退する人が続出!
仕事を頑張って管理職までなっても、その後降格する人や自分から出世を断る人もいます。
これらの理由は人によって違いますが、その中でもよく聞くものを3つ紹介します。
部下の失敗は管理職の責任
あなたがどんなに優れた人材でも、部下も優秀とは限りません。報告・連絡・相談ができない人もいますし、職種が向いていない人や向上心がない人もします。
そして、問題なのは部下のミスは管理職である上司の責任になることです。
- 納期に間に合わない
- 商品に傷がある
- 作業手順が人によりバラバラ
- 客先への対応が悪い
部下のミスは上司の管理不足・教育不足と指摘されるため、続いてしまうと降格をさせれてしまいます。
今まで積み重ねて出世をしたのに、不本意に降格させられると仕事がつまらなくなりますよね。
隠れ残業
課長・部長・センター長など、管理職になると会社にどれだけ利益を出しているかを注目されます。
あなたの部署が会社で利益を出している部署であればいいのですが、ミスが多発したり部署の残業が多すぎると上層部から指導が入ります。
「残業時間を減らして多くの仕事をこなす」というのはどこの会社でも必ず言われることですが、出世をすると「部下には定時で帰ってもらわないといけないが仕事が間に合わない」という悩みが常にあります。
結果、部下には帰らせて一人で多くの業務を隠れ残業する人が多くいます。
この場合残業時間も申請していないのですがから、出世して管理職手当てをもらっても割に合わないほど長時間の仕事をしていたりします。
上長と部下の重圧から負の連鎖
出世をしても、自分が社長にならない限りは必ず自分より上の立場の人がいます。
つまり中間管理職である課長などは部長から「もっと残業を減らせるための対策は?」などと指導をされ、部下からは「その時間内でこの仕事量は物理的に無理です」と文句を言われたりします。
部下は上司を敵だと思っている人もいますし、相手が管理職でも言いたいことを普通にいう人もいますし、非協力的な人だっています。
そして、そのストレスから気分も悪くなって自分の視野も狭くなってしまいます。(気分一致効果)
【気分一致効果】
気分の良い時には良いことが見やすくなる。逆に気分が悪い時は悪いことばかり目に入るようになる。仕事が割に合わないと思ううちに、だんだん部下の悪い所や嫌いな所ばかり目に入るようになり、自分の仕事のパフォーマンスも低下する
出世を諦めたらどんな人生が待っている?
自分の人生なので、出世をしない選択肢も選ぶことができます。
ただし、一度出世しないと決めた後に同じ会社で出世を希望するのは難しいため、出世を諦めた後のことも考えることをおすすめします。
降格した場合は辛い?
一度出世した後に降格することは厳しい現実が待っています。
やっとこさ仕事終わったぁ
つかの間の連休
来月から一回り以上年上のおじさんが降格して我が部下として異動してくるけど気が重い— 金 正則 (@kouneisland) December 31, 2020
私が勤めていた会社でも上記のようなことはありましたが、「以前は上司だったけど、今は自分が上だから言いたいことは言わせてもらう」と言っていた人もいました。
周りの同僚からは「あの人は元々グループ長だった」などと言う目で見ているため、出世したあとの降格という事実は新入社員にも自然と広まります。
降格した人は口数が少なくなり、途中で部署異動を申請する人も多いです。
最初から出世を諦めた場合
途中から降格ではなく、最初から「私は出世を希望しません」という人もいます。
仕事は「お金より時間」の方が大切と言う考え方の人も多いため、ワークライフバランスを重視する人もいます。
この場合は途中で降格するというリスクもないですし、同僚から急に冷たい目で見られることもありません。
[box05 title=”最初から出世を希望しないメリット”]- 責任は上司に押し付けれる
- プライベートの時間を持てる
- 部下の責任を取らなくていい
- 同僚と愚痴も本音も楽しく会話できる
- 出世後に降格するリスクがない
出世をしない場合は周りと同じ立場であることで、プライベートの悩みや上司の不満、趣味の話など仕事で楽しく会話をすることもできます。
人間関係が悪いと仕事がつまらないと感じますし、悩みを相談できる人がいることで困難や辛いことも乗り越えれますよね。
達成動機づけで未来は変わる
出世をしても、ほんの少ししか給料が合わないから割に合わないと感じる人はとても多いです。
しかし実は達成動機づけを行うことで、出世をするにしても出世をしない方向に進むにしても幸福感は満たされます。
達成動機づけとは価値のある目標を何とか達成しようとするときの動機付けのこと
以下のようにあなたにとって価値のある目標を立てることで、その目標に向かって前向きに取り組むことができます。
出世をする | 出世しない |
社長までなって自分が会社を変える | 子供と遊ぶ時間を優先する |
お金持ちになって大きな家を買う | 家族のイベントでは必ず休む |
欲しいものは我慢せず全て手に入れる | 自分の好きな仕事をする |
会社で絶対的な信頼を得る | 同僚とのコミュニケーションをこの先も保つ |
これまで迷惑をかけた人に恩返しする | 仕事のストレスをプライベートに持ち込まない |
出世をしたい人は、取締役まで上がれば多くのものが手に入ります。
ただし中間管理職で止まると割に合わない状態になってしまいますので、最初から出世をしないで家族との時間を作ることもできます。
まとめ
この記事では出世が割に合わない理由と、なぜ降格や辞退する人が多いのかということをお伝えしました。
出世をすると多少給料は上がりますが、割に合わないほど大量の仕事量や責任を持つことになります。
出世をして取締役や社長になれば多くのお金も手に入りますが、中間管理職ではどうしても辛い状況が続きます。
ただ、達成動機づけを行うことで、後悔しない毎日を送ることができます。
出世に正解も間違いもないので、あなたにとって優先したい価値ある目標を考えることで、今後の方向性のヒントとなります。